5月2016

平成28年度総会=報告

平成28年度総会
平成28年4月16日

菅瀬亮司副会長を議長に選出し、議事が進められました。
平成27年度事業報告・収支決算報告および平成28年度事業計画案・収支予算案を審議し、承認されました。

平成28年度役員は以下のとおりです。
名誉会長 篠田昭[新潟市長]
名誉会員 蒲原宏[元がんセンター新潟病院副院長]
顧問 中村義隆[前会長]
相談役 和田右苗[前副会長]・小熊英雄[前副会長]小川千代[前監事]
 
会長 伊藤善允
副会長 菅瀬亮司
事務局長 高橋邦比古
監事 齋藤義明・笹川玲子
理事 青木道・伊藤雅一・岡村澄子・毛島宏・桜井ミツ・佐藤節子・佐藤千重子・関本昌隆・高橋優太・山上卓夫・横木剛・渡辺 等

4月の例会=報告

4月例会
平成28年4月16日(土)

「銅像に見る郷土先人の風貌―歴史の伝え方、史料としての在りよう、造形の妙味―」
元新潟県立文書館副館長 本井晴信氏

〈講演要旨〉
ちょっとした散歩の途中で、あるいは旅行に行った時、思わず銅像を目にし驚いたり意外に思ったりしたことがあるのではなかろうか。またみんなで一つの目標を設定し、複数の眼で銅像を探しながら情報を交換していくのもおもしろいことではなかろうか。
古町通りにあるドカベン像はよく知られているが、物語、創作での人物像の一例は白山神社境内にある神武天皇像であろう。だれが建てたのか、銅像の人物は実在の人物なのか、想像、架空の人物なのか等々、注意しながら見ていくことも楽しいことの一つである。さらに銅像が設置されている場所や銅像の素材にも注意したい。動物が銅像になっている場合もあり、忠犬タマの像が有名である。新潟市内には白山公園と新潟駅の二か所にある。
古町八番町をはじめ、新潟大学五十嵐キャンパスなど多くの場所に良寛像がある。子どもと手鞠をしているものなど様々であるが、どれを見ても長い顔、伏し目がちで晩年の良寛像である。似たような風貌であり、もっといろいろな像があっていいのではなかろうか。
東仲通りの長谷川写真館脇に澤田敬義の銅像がある。全体的にリアルに作られている印象の像である。説明板があり制作者名も含め詳しい説明を読むことができる。このような詳しい説明は後々まで必要であろう。
実在の人物像で新潟市内にある一番古い銅像は新潟大学旭町キャンパスの池原康造像と思われる。池原は新潟医学専門学校の初代校長であるが、この像は1918(大正7)年の制作で、原型制作者はその道のパイオニア武石弘三郎である。台座にも配慮、工夫がなされ、20世紀初頭の時代感覚が感じられる。銅像の表情のみではなく、台座を含めた全体の感覚を感じとってほしい一例である。
銅像の多くは男性像であるが、新潟中央病院前庭にある小柳イソ像は女性像の代表例であろう。彼女の医療活動を顕彰して建てられた銅像である。銅像はコーティングされてはいるが、酸性雨などの影響で厳しい状態になっているようである。表面のメンテナンスが必要で、きれいな状態で銅像を楽しみたいものである。
銅像の研究は今までだれもやっていない。銅像にはそれぞれの由緒があり、りっぱな郷土資料である。同時に銅像のまわりの風景もまた郷土資料の一つといえる。みなさんから外歩きを楽しんでいただき、そして郷土資料としての多くの銅像について情報を共有していただければありがたい。