2月の例会=報告

2月例会

令和6年2月18日(日)

シンポジウム・新潟郷土史研究会のSDGs

「郷土史研究と学校教育との連携」

新潟郷土史研究会理事   竹内 公英 氏

新潟市立内野中学校教諭  江口麻衣子 氏

新潟県立新津高等学校教諭 小島 大介 氏

<講演要旨>

<竹内>本日は今までにないテーマであるが、郷土史研究がどのように進められていったら良いのか。一つの参考例になればありがたい。また貧困、教育、平和等SDGsの目標が示されているが、郷土史研究の中でどのような貢献ができるのかも考えてみたい。現在の中学、高校教育は昔と比べ大きく変化している。知識はネットですぐに知ることができる。自分達で調べ学んでいくことが大切である。今日は二人の先生から中学、高校の授業の現状を話していただき意見交換を行いたい。

<江口>中学校学習指導要領の解説に「地域に残る文化財や諸資料を活用」と記されている。同時に私は歴史事象の背景について考え学んでいくことが大切であると考えている。そのためにも地域の資料を揃えていきたい。たとえば江戸時代の課題の一つとして新潟町の人口についてとりあげてみた。「江戸時代の新潟町の人口の推移」のグラフを示し、新潟町の人口が江戸時代の初めに比べ幕末の頃になると6倍に増えている。なぜ増えたのか、その背景について新田開発や産業、交通の発展などとの関係に触れながら授業を進めていった。

<小島>今年度は高校が新課程となり歴史総合が2年目、日本史探究が1年目の年である。今日本史探究を担当しているが、地域の資料は授業の中で差しはさむ程度である。

<竹内>郷土史研究会など学校外の団体や組織と授業担当者との連携について、どのようなことができるだろうか。

<江口>以前勤務していた学校では県政記念館で授業を行ったことがある。準備が大変であったが有意義であったと感じている。

<小島>新潟大学の先生から災害の歴史について授業を担当してもらった。また総合学習の授業で新津駅や埋蔵センターへ行って調べたりした。

<出席者A>シティガイドをやっている関係で毎年中学生に街歩きのガイドをしている。コロナ禍で街歩きができない年は事前に街歩きのビデオを撮り、それをバーチャル授業の中で使い、私達と中学生とがお互い質問しあいながら進めていった。事前の用意が大変であったがいい経験であった。

<出席者B>私もシティガイドをやっているが、事前に質問項目を提示される先生がいて助かっている。先生方のリーダーシップが大切であると感じている。

<竹内>新潟郷土史研究会のSDGsとの関連で、学校と連携したり、もっと若い人達に会員になってもらったりするにはどうしたらいいのか。そして公立の先生方は転勤で異動しなければならない。そのような中でこれだけはこの地域で教えてほしいということがあれば出していただきたい。

<出席者C>護国神社戦没者霊園に行くといい。東西両軍の戦没者が祀られているまれな霊園である。

<出席者D>地元中学生が万代橋や祭りのことをガイドし伝えている。白山公園についても近くの小学生が宣伝している。学校が広い視野で羽ばたいてほしい。

<出席者E>郷土史研究会の蓄積を地域の学校に届けてほしい。「こういうことだったらできます。できそうです」と届けてほしい。

<竹内>新潟には私達が想像している以上に誇れるものがあると思う。それらを財産として今後とも子供達に伝えていく必要があると感じている。本日はありがとうございました。